【Official髭男dism/Shower】エモくて素敵すぎる 後編

■2番いってみよう!

曇った窓を晴らし走る車
電車に揺られた二人の背中を追い越した
昔住んでた部屋の前をうっかり通った時に灯った電気にスピードを落とした

マジでエモくない・・・?

そんな2番のAメロ。

ぜひ想像してみてほしい。

陽が落ちた後の暗い道。車に乗った2人は線路沿いを走っていた。電車を追い越すほどのスピードを出していたのか、はたまた2人の思い出のある駅に停まっている電車を追い越したのか、とにかく電車を追い越したのだ。

ドライブを続けていると、前に住んでいた6畳のワンルーム(後に出てくる)の家の前をうっかり通りかかる。

ふと電気が灯る瞬間を見てしまい、なんだか少し寂しい気持ちになったのか、車のスピードを落として思い出に浸った。

自分達が今まで住んでいた部屋に誰か違う人が住んでいて、その誰かが私たち2人と同じようにこの家で思い出を作っている。

なんだか寂しい気持ちになりませんか。。。僕はなります。笑

6畳のワンルーム でも壁はそこそこ厚く
近くに手頃なスーパーがあって買い物に困らず
コンビニだけは遠く 違う、駅もやっぱり遠く
帰り道に始まる夕飯のおかずウォーズ

6畳のワンルームだったけど、彼女との思い出がたくさん詰まっていたあの部屋。

とても住みやすかったわけではないけど、とても住みにくかったわけでもない。

車を運転していた主人公は思い出に浸ったのだろう。

基本的にこの曲、主人公の想像や語りによって構成されているので、おそらく一緒に車に乗っている彼女(奥さん)と、一緒に語りながら思い出に浸っているわけではないと、僕は思う。

きっと、ちょっぴり鈍感で大人になった彼女(奥さん)は、前に住んでいた部屋を見ただけで、心が揺れるようなことはないんじゃないかな。

主人公は隣を見て、そんな様子も感じ取ったのかな。

音楽的な内容でいきますと、ここでしれっと韻を踏んでおります。

ところどころ文末や単語がう行(母音がu)になっているの、お気づきでしょうか!

あまりにもマジックアワーと呼ぶことは容易かったし
多分正しいのかな
だけど過去のままごとと比類ないくらいの幸せが今も降り注いでる

マジックアワーとは、夕方陽が落ちてくる時に空がオレンジや青に染まるような現象のことです。

何かをマジックアワーに比喩しているのか、それともマジックアワーを見た時の自分自身の感想なのか、、、ちょっとわからなかったです。

ぜひ本人様と答え合わせしたい・・・

“ままごとと比類ないくらいの幸せ”

ここも抜群に言葉のセンスが溢れていますね。笑

ここで言うままごとは単なるおままごとのことではなく、付き合いたてのしょうもない喧嘩とか、小さなことで揉めたこととか、そういうなんとなく普通に通過していくような出来事をままごとと比喩しているのかなと、考えました。

そんな過去の日々ももちろん幸せだったけど、それとは比較にはならないくらいの幸せが、今もシャワーから落ちてくる水のように継続的に感じているみたいです。

個人的に2番のサビはしっとりしたところからバッと入って楽器が盛り上がる感じが好きです。

この辺りの歌詞はアコギやシンセと相まってかなりエモさを感じます。

藤原さんの“あまりにも”の透き通った声がよきです。。

シャワーのように垂れ流す季節と衰えていく様の中
どうにか僕らは年甲斐ってものとそれなりに上手く付き合っていられてるから
冷めやることを知らない

“シャワーのように垂れ流す季節”

これは時の流れの速さを表しているのでしょう。

今までのシャワーは幸せが出てくるものでしたが、ここで初めて違う表現になったように感じました。

シャワーから出てくる水は、シャワー単体では絶対にこの流れてくる水を止めることはできません。

時間とはそういうもので、時間を止めることは絶対にできません。

ただ時間は、有効活用したり、人生の過ごし方を変えてみたり、少し視点を変えるだけで大変有意義なものになります。

ただ過ごしているだけでは、今この時間は淡々と過ぎ去っていってしまう。

時間と幸せは全く関係のないものに見えて、共通するものがあるということですね。

今まで一緒に年を重ねてきたけど、これから先衰えていく中でも、それなりに上手くやっていけそうだよね。

って話です。

過去のことを振り返るとそれなりに上手くやれてきたし、これからも大丈夫!2人は冷めることはないだろう。

と、そんな歌詞かな。

■Cメロは回想シーン?

写真を撮ることもなくなって 名前を呼ぶことも減っちまって
あまつさえ目を見て話すことさえ不可能になって
マルチタスクな家事と怒りやすくなった僕に
君はマスクの裏で分かりやすくため息ついた

今まで幸せな2人の物語だったのに、急に曲調や声が変わるこのシーン。

このラジオボイスみたいな声は、ボーカルトラックにイコライザでハイカット&ローカットを入れると表現できます。

それはさておき・・・

このシーンは”こうなったら嫌だな”っていう回想シーンのようなフェーズなのかなと思いました。

恋愛をしていると誰しも1度は経験するであろう倦怠期。

この2人は特にそんな時期もなかったけど、この先の結婚生活でいつか訪れるであろうことを想像したシーンだろう。

“あまつさえ”ってのは前後の歌詞から読み解くに、”それだけでなく”なんて訳し方をするのが妥当だろう。

それにしても歌詞を書くときの語彙力の引き出しが凄まじいです。決してこの単語を知っていたところで、今までのこの曲の流れで、古文で使われるこのワードを用いることは容易くはないです。笑

そして、ここでも韻を踏みまくります!

“マルチタスク”

“怒りやすく”

“マスク”

“分かりやすく”

の4箇所ですね!

バンドサウンドと相まって、とってもノリやすいCメロです。

そんな未来さえ憂いてた 僕たちはどうやら
そんな日々に辿り着くには子供じみすぎていた

“憂う”ってのは”心配になる”みたいな事ですが、Cメロのようなエピソードを心配していたということでしょうか。

“辿り着くには子供じみすぎていた”って難しい・・・

私たち2人は子供すぎるから、そんな大人みたいな悩みが出ることはなかったということでしょうか。

本当にとっても幸せな2人なんでしょう!!

あの頃のシャワーを今でも浴びせよう
ふやけるくらいが多分ちょうど良いや
いつか肌や髪の毛の曲がり角さえも笑いに変えながら曲がればいい

今までの歌詞から、シャワーから出ているものは幸せだという前提があります。

“ふやける”というのは、長風呂しすぎてふやけるとか、物体が液体に浸かりすぎてふやけてしまうような、どちらかと言うとネガティブなワードだと思いますが、ここではそれを“ちょうどいいや”と歌っています。

例えば、優しさはやりすぎるとお節介になります。

なんでも、やりすぎは良くない結果になることが多いですが、おそらくこの2人は、そんなやりすぎくらいが丁度いいみたいです。

つまり、幸せをこれからもしつこいくらい交わし合っていこう、ということでしょう。

そして、歳をとって、肌や髪の毛が成長から老化に変わるポイントを迎えても、それすらも笑顔で迎えて、通り過ぎて、長い人生をともにしようということが描かれています。

とっっても素敵です・・・

シャワーの後にバスタブの中で立ち上る湯気のようにほら
いつだって僕らはお互いの顔を赤らめることができるはずなんだ
そう信じてやまない

1番サビの終盤と同じ歌詞です。

1番と2番で同じ歌詞を使う時は、大抵の場合は大事な内容であることが多いです。

反復には強調の成分が含まれていますからね。

蛇口が開き今日も 笑みがこぼれる

今日もいつもと変わらない幸せを感じ、自然と笑顔になりました。

■落ち着いてそして今を生きる

曇った窓に指をはしらせて
雑な似顔絵を描き合った思い出などなくても
駄菓子やテレビゲームに囲まれ
変わらないままで
変わったままで
暮らしていこうよ

僕は最初と同じメロが最後にくるこういう構成好きです!

歌詞は似ているけれど少し違います。

この曲を通して2人の今までとこれからの人生を語ってきた主人公ですが、

自分の期待や理想とする思い出がなかったとしても、今までと同じように変わらないまま暮らしていこう

と、想いを決め、終わりを迎えます。

個人的に見てほしいポイントは、最後の“よ”です!

この“よ”をつけることによって、彼女(奥さん)に対して語り、訴えていることが想像できますね。

■まとめ

今回はOfficial髭男dismのShowerについて語ってみました。

なんだかとーーーーーーってもエモい気持ちになりました。。

ただ仲の良い2人のこれからについて語った歌だったらここまでエモい気持ちになることはないのだけれど、

仲は良いけどなんとなーく感じる主人公のもやもやとか、男子特有の女々しさとかまで書き起こされたこの楽曲は、僕の中で好きな楽曲のうちの1つです!

そして、、、アコースティックギターっていいよね。

それでは今回はここまで!

ありがとうございました!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました