【Official髭男dism/コーヒーとシロップ】誰しもが感じている職場での感情

藤原さんの体験談?

銀行員として社会人経験もある、ボーカルの藤原さん。

その頃のリアルな心情を歌った曲と言われています。

考察していきましょう!

「今会いたいな。嫌なことあったから」
そう言って僕は真夜中 君を起こした
寒い夜だった ため息は白くなった
カップに注いだコーヒーは憂いを映した

この楽曲は、職場での不満や疑問を歌っています。

それらを受けて、ふとある真夜中、君に会いたくなっている。

Aメロではありますが、ここはある一つのシーンとして、考えることで楽曲自体がまとまって見えるでしょう。

楽曲の中で表れる、コーヒーやシロップ。苦さや甘さ。

職場や世の中への不満や疑問をコーヒーの苦さで例えています。

そう考えると、甘さはポジディブなワードと考えられますが、一概にそういうことでもないようです。

例えば 何十年先に偉くなれたなら
そしたら これでよかったと笑えるんだろうか?
例えば 明日僕が会社を休んだなら
そしたら 「代わりはいるさ」と笑い出すのか?

主人公は疑問に感じます。

今とても辛く、嫌なことがある。

しかし、未来で偉くなった時に、今我慢したことを“これでよかった”と笑えるのか。

今サラリーマンとして上司のもとで働いている人は、こんなことを考えることもあるでしょう。

また、主人公は自分のポジションについても疑問に思います。

こんな辛いなら投げ出して辞めてしまいたい。

そんな感情が想像できますが、仮に本当に逃げ出したとしても、会社は当たり前に活動しています。

そんな当たり前の様子に、自分がいなくても…と思ってしまい、歌詞の通り、疑問に感じています。

嫌なこと全部飲み干して
その場をただただやり過ごして
カップの底見つめ
ふがいなさのシロップを落として
とにかく全部飲み干して
いつかは全部吐き出して
それで笑って、歌っていられたらな

仕事をしていると理不尽なことがたくさんあります。

そんな理不尽なことを、全部飲み込む=我慢して、“その場をただただやり過ごして”いる。

サビではそんな様子が描かれています。

Aメロのところで話した甘さについて。

“ふがいなさのシロップ”と書かれています。

理不尽なことだらけの状況。

そんな状況を苦いコーヒーと比喩し、

何もできない不甲斐ない自分、

本当はこうしたいがあるのに言えない自分、

はたまた、言っても聞き入れてもらえなかった自分、

そんな色々な自分を、今日もよくやった、頑張った。と言い聞かせ、

シロップと見立ててカップの中を甘くします。

嫌いな食べ物を鼻をつまんで飲み込むときのように、

無理やり甘くしたコーヒーを飲み干し、

いつか全部吐き出せたら…ということが歌われています。

“それで笑って、歌っていられたらな”とは、

どこに対しての“それ”なのでしょうか。

サビ全体に対してかかると読み取ることもできますし、

いつか吐き出したいというところだけにかかることもできます。

朝が嫌になった テレビも嫌になった
いつも時間に数字に 追われる毎日
不思議に思った 君は平気なんだろうか?
笑顔の裏に隠した 言葉はなんだ?

“朝が嫌になった”

社会人でも学生でも誰しもが思ったことがあるでしょう。

テレビを見る暇もないすら、時間や数字に追われる日々。

社会人としての大変さや、プライベートなどないほど精神的に追い詰められているような様子を伺えます。

一方、君は笑顔で振る舞っています。

まさかそんな笑顔が素でできるわけもないことを知っている主人公は、

その裏には何かが隠されていると、思ってしまいます。

例えば 何十年先に偉くなれたなら
そしたら 僕もあんな風に威張りだすんだろうか?
例えば 君が明日どこかへ逃げ出したなら
そしたら 「誰でもいいさ」と笑い出すのか?

1番と同じようなフレーズが並んでいます。

偉くなった将来、自分は威張るのだろうか。

これは、今、威張り散らかしてくる上司を見ての気持ちでしょう。

笑顔を振る舞っている君が、もしいなくなったら、

会社で一見うまくやっているように見える君ですら、いなくなってしまえば周りは笑うだろう。

そんなことが歌われています。

嫌なこと全部飲み干して
その場をただただやり過ごして
すっかり甘くなって
苦さも感じなくなってしまったな
まだまだ全部飲み干して
いつかは全部吐き出して
それで笑って、歌っていられたらな

1番サビでは辛かった様子が描かれていましたが、ここでは少し時間が経った頃が歌われています。

“すっかり甘くなって 苦さも感じなくなってしまったな”

決して仕事が楽になったわけではないでしょう。

日々、会社や上司の理不尽、不平不満と戦っている主人公。

だんだんと感覚が麻痺し、辛いことに慣れてしまったような様子と考えられます。

しかし、自分自身では辛いことという認識は忘れていません。

だからこそ、“いつかは全部吐き出して”しまいたい願望も、あわせて描かれています。

間違えたから謝るんだ それくらい簡単ならば
笑って明日を待てるのに まだ
「出来ないから」と攻められてほら
このカップのふちで僕は
今も飛び込む時をそっと待っている
堪えて堪えて高いところから吐き出す時を

間違ったら謝る。

そんな簡単に話が収まるほど、社会は甘くありません。

間違えたことに関して、出来ないと解釈されてしまう状況。

主人公の我慢は、もういっぱいいっぱいなのかもしれません。

嫌なこと全部飲み干して
その場をただただやり過ごして
カップの底見つめ
ふがいなさのシロップを落として
とにかく全部飲み干して
いつかは全部吐き出して
それで笑って歌っていられたらな

1番と同じサビの歌詞となっています。

実は“それで笑って歌っていられたらな”の歌詞に句読点がないのです。

ここの歌詞は、成長した主人公の姿、

何十年経って、我慢をすることも当たり前になっている頃を描いているのではないでしょうか。

句読点がなく、それで笑って歌っていられたらな”という区切りのない歌詞で、納得を表現しているのではないかと考察しました。

社会人って大変ですよね

日々何気なく職場と家を行ったり来たりしている社会人。

でももしかしたら、今置かれているこの状況は、決して自分にとってベストではないかもしれません。

藤原さんは、この楽曲を社会人時代に書いたのでしょうか?

それとも、自らがアーティストとして活動する中で、当時を思い返して書いたのでしょうか。

人生の中で普通にこなす出来事は、本当は普通ではないかもしれません。

普通に起こっている出来事を、普通じゃないと感じることこそが、髭男のように素晴らしい成功を収めるのかもしれません。

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