■何度も最後って言い合おう
今回は髭男の最後の恋煩いを考察していきます!
何度も最後と言い合うという矛盾をも生じる歌詞がこの楽曲のキーワードとなっています。
考察していきましょう!

何度も「これが最後」って言いあおう
“煩い”とは思い悩むことを指します。
“「これが最後」”というワードを“何度も”交わしたいことが歌われています。
これは何度喧嘩して思い悩んでも一緒にいようという想いが込められているのではないでしょうか。
日々の呼吸が乱れだす瞬間
まあいっかなんて放っておいたら
真っ逆さまジ・エンド
それだけは回避しなくちゃな
特大の罵声も 受け取るからいっそ
いい人なんてやめちゃえよ
生前贈与の冊子の表紙を飾るような年頃になっても
全てを語らいあう2人でいたい
とある問題に対して見て見ぬふりをしていたところで、なかったことにはなりません。
仮に見て見ぬふりをしていたとしても“ジ・エンド”=別れになってしまうことは安易に想像ができます。
“日々の呼吸が乱れだす瞬間”というのは、別れの兆候のようなものを指しているのではないでしょうか。
主人子は“それだけは回避”したいと思っているようです。
“特大の罵声も受け取るからいっそいい人なんてやめちゃえよ”というのは、セリフとして相手に投げかけられているように考えられます。
いい人ぶったところで本音が伝わるわけではありません。
“生前贈与”というワードが出るほど年老いた後でも、
特大の罵声を用いてでも“全てを語らいあう2人でいたい”と考えています。
「うんざりだよ これだからもう!」 って言いながらも笑みがこぼれる
何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら Uh
ここで出てくる“最後の恋煩い”は、もう喧嘩して悩むのはやめたいと言う気持ちと考えられます。
歌詞の中にあるセリフを言い合いながら、
“最後”という言葉の真実味が薄れていく様子をも、ストレスと感じずに幸せと感じることができています。

タフな心なんてない 一切合切
堪え続けた後で 勝手にオーバーヒート
それは理不尽すぎるなあ
断腸の思いを投げ合うのはきっと
僕らだけが持ち合わせた専売特許
とは言っても常識の範囲を超えてしまいそうだと
頭を両手で抱えて Uh!!!!
2番では少し違った角度の意見が登場します。
1番では特大の罵声でも本音でぶつかりたい様子が描かれていましたが、
ここでは、そうしたことをしなかった時、“オーバーヒート”してしまう。
つまり、取り返しのつかないことになってしまうことを言っています。
罵声を浴びせてもいいよと伝えているにも関わらず、
それをしてくれなかったことによってオーバーヒートしてしまい、
最悪の結末を迎えてしまうことに、主人公は“理不尽”と感じています。
“断腸の思い”=辛く苦しいやり取りや思いを、交わすことができるのは主人公とあなたの2人のみ。
ここでいう“常識の範囲”とは、別れというワードのことを指していると考えられます。
罵声を浴びせたり、辛く苦しい思いを打ち明けたりすることは決して問題ではありません。
でも、別れを口に出すことだけはNGです。
仮にもそんな話題が上がってしまえば、主人公は頭を抱えて悩んでしまうという様子が描かれています。
「似たようなこと 前あったよもう!」って言いながらもどこか不可解で
今夜も儚い迷い星に問う
最後の意味が増してきて 眠れない
夢の波間に残されて立ち尽くしている
2番のサビでも“「似たようなこと前あったよもう!」”と、あなたととの会話のセリフが読み取れますが、
1番とは違い“不可解”な様子が見受けられると言います。
“最後の意味が増してきて"しまうというのは、どういうことでしょうか?
これらは、今までは最後を何回も繰り返すことで重ねられる2人の軌跡や理想について語られていましたが、
今回の喧嘩こそは、最後の恋煩いになってしまいそうな気がしている様子が描かれているのではないでしょうか。
そんなことを考えている主人公はゆっくりと眠れることができず、夢と現実の間を行ったり来たりしています。
最後の意味がすり減ったり増したりする様子が、恋愛の人の感情を描写しているように思えます。

やんちゃな終身派 しょうもない事でも ご愛嬌
最後の恋煩いを始めよう
「うんざりだよ これだからもう!」て言いながらも笑みがこぼれる
何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら 大丈夫だな Uh
主人公は、
どんなに綺麗な思い出でも、すぐになくなってしまうような一瞬のものに幸せを見出すことはできません。
その一瞬限りの期間限定よりも、多少の恋煩いがあったとしても人生の最後までを共にしたい“終身派”です。
大サビの最後には“大丈夫だな”というワードがあります。
一時は本当に最後の恋煩いになってしまうと感じた主人公も、
“最後の意味がすり減ってゆくこと”を“幸せ”と感じることができるようになりました。
■いかがだったでしょうか?
髭男の楽曲は単なるラブソングだけではなく、
こういう人間の心理の深いところを歌った曲が楽しいですね。
ワードセンスも抜群で、考察もとっても楽しいです!

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