【Saucy Dog/シーグラス】あの夏を感じる

■爽やかと切なさが滲む夏の名曲

今回はSaucy Dogのシーグラスを考察していきます!

あの夏の君の姿を思い出してしまう、爽やかな楽曲に載せた切ない歌詞が印象的な楽曲となっております。

PVを見るに、この楽曲は女性目線で書かれていることがわかります。

歌詞を読んでいると、男性目線で、可愛い元カノの姿が思い浮かべられますが、

ここではPVに沿った女性目線での考察をしていきます。

あのね、海岸線 憶えてる?はじまりはそこから
猫被って黙ったまま海を眺めていたんだ

君に問いかけるように始まる“あのね”という歌詞。

“憶えてる?”に書かれるクエスチョンマークからも問いかけていることがわかります。

“覚える”ではなく“憶える”という漢字を使っていることからも、記憶しているか?という点において注目していることがわかります。

“憶える”の方が記憶の意味合いが強い漢字になります。

“猫被って”いる様子から、付き合いたての初々しさを感じることができます。

目の前にはもういない君に対して、

海で独り言を語るように放っている姿が想像できました。

あの頃は…と涙してしまいそうな冒頭歌詞です。

君のうなじに見つけたアルビノ
白く透き通った窓のよう
ある日の欠伸と綺麗な横顔

ふたりで見上げたアルミ格子の
吹き抜けとすじ雲
休日の眠たそうな君におはよう

瞼を閉じたままで理由なんかは無くていいよ
カーテンの隙間から差し込んだ朝が

ここでは付き合っていた頃の何気ない日々の出来事が歌われています。

“アルビノ”とは生まれつき肌や髪の毛の色素が薄い人のことを言います。

別に、彼がアルビノということではなく、

次に連なる歌詞に韻を踏むように、

うなじに見つけた白髪のことをアルビノと表現しているのではないでしょうか。

あの頃はなんとも思っていなかった日常が、特別なものになってしまった。

そんな様子が感じられます。

眩しすぎて瞑った瞳 そのまま眠りに落ちて
夢現 微かに聞こえる寝息さえも
愛しくて 儚いね 忘れたくない事が多過ぎて
胸の中大切に仕舞っておくよ、ずっと
このまま

Bメロからサビに繋がる歌詞。

前半はAメロ同様の何気ない日々を映していると考えられ、

“儚いね”以降の歌詞は、現在に戻ってきます。

カーテンを開けて差し込む光。

眩しすぎて目を閉じると、そのまま眠ってしまう。

夢なのか現実なのかわからない休日のひと時。

寝息すらも愛おしかった君との日々ももう過去のものになっています。

“夢現”という素敵な言葉選び、

忘れたくないのではなく、“忘れたくない事が多すぎて”という表現、

サウシーらしい表現で楽曲を彩っています!

寝ぼけたままでシーツに包まるミノムシ
拗ねた顔も愛しい
昼過ぎの朝飯の後は海へ行こう

近づく潮風 ベタついた手と手
髪の毛はパサパサ
そんなの気にしないのも君らしいね

波止めの上の君を 落ちない様に握った手
危なげな横顔に 何故か胸がつまる

1番同様、君との何気ない日常が描かれています。

身長が高いとか、顔がかっこいいとか、

特別な表現がないまま君を表現する様子は、

過ぎゆく中では特別とは思えない何気ない日常が、失って仕舞えばどれほど大切な事なのかを表していると考える事ができます。

風を切って羽ばたいて見せる 無邪気な君を見上げて
あの日から今日までを思い返しているけど
なんだか 儚いね 忘れたくない事が多すぎて
胸の中大切に仕舞っておくよ、ずっと
サヨナラ

波止めの上ではしゃいでいる君を見上げているBメロの続きが歌われています。

1番のサビ同様、回想シーンは終わり、

“あの日から今日までを思い返して”います。

あの日とは、君と出会った日のことではないでしょうか。

海岸線が見えるあの場所で出会ったあの日。

でも今、隣に君はいません。

思い出は心の中にしまい、別れてしまったことを受け入れ、“サヨナラ”と呟きます。

“あのね、海岸線 憶えてる?はじまりはそこから
猫被って懐かしいね、全部大切なの”
でもね、私たち今日まででお別れ。またいつかね。
夕日の影 君は最後 どんな顔してた?

猫かぶったまま海を眺めていたあの日の2人のことを懐かしみます。

“”で囲われている部分は、主人公が独りで呟いたセリフではないでしょうか?

夕陽が沈むまで話し合ったのでしょう。

きっと主人公は涙で目の前が見えなくなり、君がどんな顔をしていたのかも思い出せないくらい悲しい思いをしたのだと思います。

「じゃあね」これからふたり別々を歩むけど
喧嘩した日々すらも薄れてしまうくらにさ

何度も振り返る君と 最後の海を重ねて
幸せな日々だけを思い出してしまうんだ
愛しくて”儚いね”忘れたくない事が多過ぎて
胸の中大切に仕舞っておくよ、ずっと
このまま

“喧嘩した日々すらも薄れてしまうくらい”2人は別々の道を歩みます。

こんなにも辛い別れですら、いつかは忘れてしまいます。

2人の楽しかった思い出。

何気ない日常や出会ったあの日のこと。

泣いた日も怒った日も、そんな1つ1つの思い出が今日から増えることはありません。

別れ際に振り返る君と、波打つ海を重ねてしまうのでしょう。

もう思い出がたくさんある海に来ることはできない。

そんな想いが感じられます。

君との思い出は、胸の中に大切にしまっておきます。

■いかがだったでしょうか?

サウシーらしい言葉選びで、爽やかな楽曲が切なく彩られていました。

別れた直後は、幸せな日々だけを思い出してしまうものですよね。

幸せな日々と君と思い出の詰まった海を重ねた、そんな楽曲でした。

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